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久里浜駅前マリン歯科ブログ BLOG

口が開かない、閉じない疾患について

こんにちは。院長の小野沢です。
もうすぐ3月、卒業のシーズンですね。

写真撮影の機会も多いこの季節、
きれいな歯を見せて笑えるよう、
定期検診を受けて、
お口の状態を万全にしておきましょう。

さて今回は、
「口が開かない・閉じない疾患」に関する内容です。

口が開かなくなる原因は意外と沢山あります。
普段の生活で口が開きにくいなと気になると
まずは顎関節症かしらと考えると思います。

では顎関節症とはどんな疾患かといいますと、
顎関節や咀嚼筋の疼痛(痛み)、
関節(雑)音、
開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする
障害の包括的診断名で、

その病態分類は咀嚼筋痛障害、
顎関節痛障害、
顎関節円板障害および変形性顎関節症であるとされています。

そして顎関節症の多くは時間経過とともに改善、
治癒していくことが示されており、
米国歯科研究学会による治療指針では、
初期治療は病態説明と疾患教育に始まり、
可逆性である保存的治療が主体として
行われるべきと示されています。

ここで重要なのは
顎関節または咀嚼筋に症候のない疾患は
顎関節症ではないという点です。

顎関節・咀嚼筋の疾患あるいは障害とされるものは
日本顎関節学会によると
以下のように実に沢山挙げられております。

A.顎関節の疾患あるいは障害
1.先天異常・発育異常
1)下顎骨関節突起欠損
2)下顎骨関節突起発育不全
3)下顎骨関節突起肥大
4)先天性二重下顎頭
2.外傷
1)顎関節脱臼
2) 骨折(下顎骨関節突起,下顎窩,関節隆起)
3.炎症
1)非感染性顎関節炎
2)感染性顎関節炎
4.腫瘍および腫瘍類似疾患
5.顎関節強直症
1)線維性(fibrous)
2)骨性(osseous)
6. 上記に分類困難な顎関節疾患(特発性下顎頭吸収 など)

B.咀嚼筋の疾患あるいは障害
1.筋萎縮 
2.筋肥大 
3.筋炎 
4.線維性筋拘縮 
5.腫瘍(neoplasia)
6.咀嚼筋腱・腱膜過形成症

C.顎関節症(顎関節・咀嚼筋の障害)

D.全身疾患に起因する顎関節・
咀嚼筋の疾患あるいは障害

1.自己免疫疾患(関節リウマチ など)
2.代謝性疾患(痛風など)

私が大学病院にいたころ、
逆に口が閉じられないという
閉口障害を訴えて来院された患者さんがおりましたが、
食事中に下顎に下から手を添えなければ
閉口できなくなってしまうとのことでした。

実際、口を大きく開けることも、
顎関節にひっかかりや雑音もなく
閉じることもできるのですが、

口の開け閉めを8回ほど繰り返すと
口を閉じることが急に困難になってしまいました。

この方の反復筋電図を計測したところ減衰減少を認め、
筋肉がすぐに疲れてしまう難病、
重症筋無力症であることが判明。

その後歩行困難となり階段も登れなくなり、
内科に入院となりましたが
治療中に心肺停止にまで陥ってしまいました。

その後重症筋無力症の原因となっていた
胸腺腫を心臓血管外科で切除することで元気を取り戻し、
退院されました。

論文に記しましたが、
歯科口腔外科の臨床において
閉口障害を生じる疾患は決してまれではなく、
やはり多くの鑑別疾患が挙げられます。

専門的ですが参考に拙著を載せましたので
ご興味のある方はご一読下さい。
また口腔の健康で心配なことがありましたら
ぜひお気軽にご相談下さい、

これからも歯科医療を通して
皆様の全身の健康に寄与できるよう、
より一層の知識の習得と技術の向上に努めてまいります。



【医院からのお知らせ】
3月4日は院長が三浦半島地域障害者歯科診療所で診療のため、
当院は休診となります。
代わりに木曜日ですが3月6日は
診療を行いますのでよろしくお願いいたします。

 

 

久里浜駅前マリン歯科口腔外科
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