歯肉増殖
こんにちは。 久里浜駅前マリン歯科口腔外科です。
4月の終わりから5月初旬にかけて、
ゴールデンウィークでしたね。
お出かけ先でご当地グルメを楽しんだ方も
多いのではないでしょうか。
行楽シーズンに美味しい食事を
思い切り楽しむためにも、
毎日のケアを怠らず、
歯や歯茎の健康を守っていきましょう。
さて日々のケアといえば、
毎日の歯磨きはきちんとしているものの、
「義歯」をつけっぱなしにしている方が
時折いらっしゃいます。
義歯のお手入れや着脱は手がかかるものです。
忙しい方ほど、つけっぱなしにしておきたい
と感じてしまわれるかもしれません。
しかしお口の健康を害しかねないので
正しい使用法を徹底していただきたいと
切実に思います。
ちなみに先日、びっくりする様な歯肉増殖の症状で
来院された患者さんがいらっしゃいました。
初診時は著しい歯肉増殖により,
ご自身での義歯の撤去が不可能な状態でした。
歯肉増殖症は、ある種の薬剤などを長期間服用し、
なおかつ口内の衛生状態が悪いときなどに 発症します。
この方は高血圧の診断のもと、
ニフェジピン30mgとバルサルタン80mg、
メシル酸ドキサゾシン4mgの
処方を受けていました。
近年カルシウム拮抗薬の副作用で起こる
歯肉増殖症は、口腔の衛生指導で
改善しうることが一般的になりました。
そのため今回のように、
何らかの機能障害を呈するほど
著しい歯肉増殖はまれです。
詳しくお話を聞くと、今回の患者さんは
義歯を2年ほど外すことなく、
常時装着し続けていたそうです。
お口のお手入れは
常に義歯を装着したままだったため、
口腔清掃不良が目立ち、
残存歯には多量の歯石沈着を認めました。
上顎は義歯の床縁を歯肉が覆っており
患者さん自身での撤去は困難でしたが、
私が手で撤去できました。
外した義歯です。
ただ下顎前歯部には、歯冠の2/3を覆う
著しい歯肉増殖を唇舌側に認め、
舌側は部分床義歯の金属のバーを覆っていたため
撤去不可能でした。
ここまで歯肉が入れ歯に食い込むと、
下顎の義歯を外すには切除が必要です。
生検を兼ね、局所麻酔でリンガルバーを
覆う下顎舌側の増殖した22X20X10mm大の歯肉を
電気メスにて切除し、
無事下顎部分床義歯を撤去できました。
歯肉切除後の写真です。
今回の病理組織学的診断は、
「線維性組織が増生した、
炎症を伴った歯肉増殖」でした。
近年は平均寿命の確実な延伸とともに、
全身疾患を抱えた方も増加傾向にあります。
それに伴い、今回の方と同じく
歯肉増殖に関連する薬剤を内服する患者さんも
外来で多く見られるようになりました。
口腔内環境によっては、普段服用している薬が
思いがけず歯肉増殖を誘発する可能性があるので、
日頃の正しい義歯の使用や、お口のお手入れが
本当に大切であると改めて痛感したできごとでした。
【医院からのお知らせ】
6月25日(火)は三浦半島地域障害者歯科診療所で
診察があるため休診で、代わりに木曜ですが
クリニックは6月27日診療を行います。
久里浜駅前マリン歯科口腔外科
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